私は戸惑いながらも、一応のことは包み隠さず全て話した。 「良かったじゃん!おめでとう!」 今もそうだけど、咲は、友達が嬉しいことがあれば自分のことのようにニコニコしながらはしゃいでくれる。 でも、、。 私はこの時肝心なことを忘れていた。 涼ちゃんは、この学校の王子様。 涼ちゃんの周りを囲んでいる先輩達や同級生が黙っている訳がないのに。 幸せって、時には刃をむく。 この時は、誰も気づくことの出来なかった大きな闇が、すぐそこにあったのに。