桜がもうとっくに散った頃。




私、綾瀬夏希は未だに慣れない制服を着て、今日も朝から学校へ登校する。




バスと電車に揺られて20分の道のり。




「っはよー、夏希!」




いつも通り教室に入ろうとすると、廊下から声が聞こえてきた。




「あ、おはよう!真琴」




彼は私の親友の、相馬真琴。




多分、朝練終わりかな?




「真琴、ちゃんと汗拭かないと風邪ひいちゃうよ?」




私は微笑みながら「じゃあバイバイ」と手を振り、教室に入る。




真琴もカバンからタオルを取り出し、隣の教室に入った。