「友理なら大丈夫、明日にはケロっとしてるから心配しないで」
電話越しの純也さんの声はとても穏やかだ
けど……
「凛花ちゃん、……君がどうしたいのか決めて。俺も友理も君がしたいようにしたらいいと思っている。後悔しないように」
後悔……
後悔なら何度もした
今日もした
「落ち着いたら、話しよう」
そう言って純也さんと電話を切った
あの時、どうするべきかわからないでいた私の携帯が振動しているのに気がついた
相手は大智さんだった
その後、すぐ大智さんと純也さんは駆けつけてくれて
純也さんは友理ちゃんを念のために病院に連れて行くと、別れた
「凛さん、コーヒー」
大智さんがテーブルにカップを置いてくれた
けど私はカップを手に取ることはしなかった
私は決めていた
これ以上、ここにいたら
友理ちゃんだけじゃない
大智さんや純也さんにも迷惑がかかる
だから、ここを出よう…
仕事も……続けられない、と。

