この尼っ……
そう呟いたと思ったら
バシッと音が駐車場に響いた
私の目に映るのは
友理ちゃんが篠原さんに叩かれた姿
『友理ちゃんっ!!』
急いで友理ちゃんに駆け寄る
叩かれた頬は真っ赤になっていた
『何するんですかっ!』
友理ちゃんは気絶しているのか
グッタリしている
悔しい……
どうして……どうして、こんな目に遭わなきゃならないの?
『篠原さん、私……貴方を訴えます!』
キッと睨みつけて言うが
篠原さんはニヤニヤしてる
「なら…俺も松川って人のことを言うよ、大智くんにも…松川の家族にもね」
なっ……何てことを言うんだ…
自分が悪いのに……
「俺の望みはただ一つ、凛花ちゃんが俺の女になること。女になるなら大智くんにも松川にも、何も言わない。無かったことにする」
これ、俺の電話番号って
名刺を置いていった
「いい返事、待ってるわ」
そう言って篠原さんは去っていった
私は友理ちゃんを抱きしめたまま
どうしていいか、わからなかった

