誰にでも優しい上司に困惑




「まさか凛花ちゃんが、そんな子だなんて思わなかったなー。今ね、俺が行ってる現場の大元の責任者でさ、たまたま見ちゃったんだよね」


そう言って私に近づいてくる


「凛花ちゃんの秘密、俺知っちゃった」



どうする?と私の顔見て言ってくる



『……篠原さん、私には言ってることがわかりません。松川さんは前の会社の上司です。どこで何を見たのか知りませんが、やましい事はありませんから』



そう言って車に乗り込もうとしたら
篠原さんに腕を掴まれてしまった



「なら、大智くんに言っても問題ないね?」



掴まれた腕は鳥肌が立っていた
篠原さんは気持ち悪い笑みを浮かべ
私を見下ろしていた



大智さんに……言う?
その言葉に私の顔はこわばる


知られたくない事
言ってほしくない……
大智さんの耳に入れたくない話



「ちょっとアンタっ!凛花に触んじゃないわよっ!!」



友理ちゃんが篠原さんの腕を払おうとしたが、そこはやはり力の差

何度も私の腕から離そうとする友理ちゃんにイラついたのか
篠原さんは私の腕を離し
その腕は友理ちゃんへと向けられた