誰にでも優しい上司に困惑



身体を重ねるたびに
幸せを感じるが、行為が終わり
離れてしまえば氷のように冷たい

所詮……身体の繋がりだ
多分、私の心は欠けているんだ


愛されたい、私だけを見て欲しい
そう思っていても
実際、愛されていても
どこか私は冷めていて
求める割には、自分は愛せていない


言われて付き合ったり
身体を重ねたり……
自分から欲しいと思ったことがない


大智さんとの暮らしが最近になって変化した事によって、今まで考えもしなかった事を考えるようになり
正直、自分の気持ちがよくわからない


だから余計な事を考えたくないし
感じたくもないんだ



『今日は出張ですか?いつものホテルじゃないから驚きました』



たまには……ね、という松川さん


たまに……か?
これが初めてだけど、と思いながらも
口には出さず飲み込んだ



私達は食事をし、たわいもない話をしていた
デザートがテーブルに置かれた時



「そういえば、営業部の今野くん覚えているかい?」



営業部の今野、……覚えている
彼氏がいるからと何度断っても
食事やデートに誘ってくる
犬系の可愛い年下くんだった