「凛さん、明日の夕方から抜けるから」
『夕方ですか?』
「うん、振興会のナンチャラパーティーがあるんだって。社長が行きたくないからって俺に回ってきた」
……ナンチャラパーティーって……
確かに社長はパーティーとかを嫌う
大智さんはそういうのが得意だから
うってつけなんだろう
時期社長だもん、顔を覚えてもらう意味では、そのナンチャラパーティーに行くのがベストだろう
『わかりました。明日はそれほど忙しくないですから、大丈夫です』
「ん、頼むねー。あ、明日は悪いけど一人で帰れる?無理そうなら誰かに頼むよ?」
誰かに頼む、か……
けど、私のために誰かが犠牲になるのは
もう嫌だった
『大丈夫ですよ、子供じゃないんだから、一人で帰れます。夕食はいらないですね』
「んー…けど小腹すくかも」
大智さんは呑みに出掛けても
必ず帰ってくると、何かを食べている
私が起きていたり、事前に言われれば作るけど、それ以外は冷蔵庫を漁ったり、何かを買って帰ってきたり……
その身体のどこに入るんだか…
どんなに食べても太らないなんて羨ましい限りだ

