昼休み。
あたしは中庭のベンチで飛鳥を待っていた。
ここは、あたし達が付き合い出してから一度も変わったことない、お昼ご飯のスポットだから。
ポカポカの春の陽気が中庭を照らす。
……早く来ないかな。
飛鳥はなんだかんだ言って、ちゃんとお昼はあたしと食べてくれる。
それは、喧嘩したときだって。
無理矢理にでもあたしを連れ出して、一緒にお昼を食べる。
そんでもって、仲直りする。
何でかわからないけど、どんなに怒っててもすんなりと謝れるんだよね。不思議。
だから今日も……来るはずなのに……。
飛鳥はまだ来ない。
何かあったのかな?
腕時計に目を落としながら、心配してみる。
その時、グゥッとお腹が鳴って。
あたしは片手でお腹をさすりながら溜め息をついた。
朝のあれ、そんなに怒らせちゃったのかな?
でも、あれは飛鳥が悪いっていうか…先に教えてくれなかったのは飛鳥だし。
っていうか、まさか。
本当にあのパンダとお昼食べようとしてるんじゃ……。
朝のパンダみたいな女の子と、飛鳥のやり取りを思い出してハッとなる。

