こうなってから陽菜は笑わなくなった。
悲しい顔をするようになった。
寂しそうな顔を、するようになった。
陽菜が早沢と笑いあっているとき、
すべて、間違えていたと気づいていたのに。
行動に、移せなかった。
俺の言葉に、元居が黙り込む。
そして、クスッと笑うと。
「陽菜ちゃん、どおなってもいいのぉ?」
ポケットから取り出した、ピンクケースのスマホをちらつかせながら、そう言った。
元居お得意の脅し。
今すぐに親に電話して、陽菜に手を下すって言いたいつもりだろうけど。
――…もう、意味ねえよ。
そんな脅しに、俺はもう屈しない。

