「あ……早沢君」
早沢 凌斗(はやさわ りんと)君。
あたしの前の席の男子で、中学の頃からの友達。
彼もまた飛鳥と同じくらいカッコよくモテるっていう噂があるけど、飛鳥の方が断然カッコいい。
「やーっと、気がついてくれた。何回も呼んだんだけど?」
「えっ!うそっ…!ごめんねっ。ちょっと、ボーッとしてて」
「ふーん。珍しいな。あ、それよりさ、この前話してた奴、やっぱ家にあってさ」
「えっ!?ほんと??」
「おう!明日持ってきてやるよ!」
にかっと笑う早沢君に、あたしのくらい気持ちが吹き飛んで、にこりと笑い返した。
わー、よかったあ。
「ありがとう!! やっぱり早沢君に頼んでよかった!」
「喜んでもらえて何よりです。 楽しみだな」
「うんっ!今度なにかお礼するねっ」
「おっ、ラッキー。楽しみにしとくわ」
「えへへ~」

