はじめて、陽菜と昼を食べなかった。



いつもなら、仲直りできるはずの昼休み。


いつもなら、陽菜と話せる大切な時間。


大好きな陽菜との、貴重な時間だったのに。



陽菜の場所には行かなかった。

いや、行きたくなかった。



どうしても、



もし、俺が行ったとき、早沢と二人でいたら。


仲良くしてるところを見てしまったら。



そんなことを考えてしまって、中庭に向かう足が重くて前に進まなかった。




なんて、情けない……。



教室に戻る最中、見てるだけしかできなかった自分が情けなさすぎて、



ドン!!っと、近くの壁を拳で叩いた。