時間は容赦なく過ぎていく。 あたしは飛鳥が来るのを待った。 だけど、 そんなあたしを嘲笑うかのように ―――ポツリ 冷たいなにかが、頬を触れた。 ビックリして立ち上がる。 「え………っ?」 なに? 触れた頬を指先で触れる。 それがなにかを確認する前に、 また、 ―――ポツリ、と。 こんどは手の甲に触れてきて。 確認せずとも、それが、なんなのかわかって空を見上げた。 雨だ。 雨が降ってきてしまった。 どうしよう。 飛鳥、まだ来てないのに。