それから十分。 いつもなら、これくらい待てば来るはずなのに、飛鳥はいまだに姿を現さない。 ……いくらなんでも遅すぎない? 用事があったとしても、もう終わっててもおかしくないよね? 不安がよぎる。 ほんとうに来ないつもり? あたしのせい? 膝に乗せたお弁当箱を握りしめる。 よ、よし……… 怒られるかもだけど、飛鳥の教室に行ってみよう。 待ってるだけじゃ落ち着かなくって仕方ない。 そう決めて立ち上がると、あたしは飛鳥の教室へと向かった。