ラブ&ロイド

「…うおおおお!」

雄たけびを上げる。先生の体が、また少し黒板の隙間から脱出する。

「うああああ!」

また少し、先生の体が外に出る。

「うらああああああああああ!」

そして…先生は、ついに脱出した。

「先生、早く出て下さい!」
「あ、ああ…」

壁を伝いながら、先生が外に出る。しかし…零泉は、まだ中にいた。

「何してるの…? 出てこないの…?」

背を向けていた零泉が振り返る。

「…三鷹…ありがとな…」
「えっ…」

きっと、私を外に出したのは、零泉がちゃんと分かっていたからなんだろう。

先生は、零泉には助かるのが分かっていた。だけど先生を助けたりなんかしたら、自分の体力が消耗して、外に出ることすらできない。

それが分かっていたから…零泉は、私を部屋の外に出したんだ。

私に、死んで欲しくないから。

「零泉…」

でも、嫌だった。

「零泉っ…!」

呼びかけても、もう返事すらしなかった。

「颯…! …翔…!」

反応性の高い薬品に炎が触れたのだろうか、零泉の立っていた所が、爆発した。そして後には、何も残っていなかった。

数日後。零泉のお葬式は、しめやかに行われた。