ラブ&ロイド

好きな人に、思いを伝えられない。その痛みは、零泉も、愛も知っているはず。そんなの、味わって欲しくない。

「だから…零泉も、私も、先生も助からないといけないの」
「…私は…」

もはや息か声か分からないような喉の使い方で、先生は言葉を絞り出した。

「私は…助かる必要は…」
「何言ってるんですか、先生!」
「君だって知っているはずだ…私は、君達を破滅させてしまった…本当はあの時、きちんと断っておくべきだったのだ…私の不徳だ…だから火の不始末などという天罰が下り、おまけに皆を巻き込んだ…私は…愚かな人間だ…」
「愚かな人間なんかじゃありません!」

不登校になる前までも、なってしまった後からも、こんなに真剣に叫んでいる零泉を初めて見た。

「世の中には、俺みたいに別人になりたいとか、もっと頭がよくなりたいとか思ってる人が沢山います! そういう人達の願いをかなえるには、先生の技術が必要なんです! だから、その人達のためにも助かって下さい!」
「…しかし…」
「俺は破滅したとも何とも思ってません! 俺は俺の考えでこの道を選んだんです! 確かに悔しいですけど…でも俺の選んだ道です! 先生が自分を責めることなんてない!」

その時、後ろから愛の声がした。

「零泉!」

驚いた表情で、零泉が振り返る。

「一条…」
「さっきの話、全部聞いてた。…零泉だったんだね、颯くんって…」
「ああ…」
「正直…よかったって、思ってる」
「よかった…?」
「だって…」

愛の目からこぼれた涙が、輝いた。

「新しく好きになった人が…また零泉だったから…!」