私は、完全無視して、仕事に没頭した。
だって、私がフランちゃんになっていられるのもあとわずかなんだから・・・
私が、フランちゃんの着ぐるみを脱いでしまっても、まだクリスマスは続いている。
今日は、店長に言って、10時まで働かせてもらおうかしら・・・
フランちゃんを脱ぎたくない・・・
もう、20時になるというのに、最後にケーキが一個残っていた。
これは、私が、頑張ったフランちゃんに買ってあげよう・・・
そう思うと、涙がこぼれそうになった。
フランちゃんと別れたくない・・・
現実に戻りたくない・・・
すると、私に向かって純平が歩いてくるのが、フランちゃんの小さな目の穴から見えた。



