12月24日 ~16時から20時~


今日のフランちゃんは、とにかく忙しい。
特設コーナーに積み上げられているクリスマスケーキは、飛ぶように売れていた。

昨夜、純平は店に立ち寄って、すぐに出ていったらしい。
きっと、店の中を見回して私を捜していたのかもしれない・・・

でも、フランちゃんになっている私を、純平には知られたくない。
クリスマスの夜に、着ぐるみに入っている元カノなんて、みじめ過ぎて笑うことすらできないから・・・

フランちゃんは、ケーキを買ってくれそうな人に、可愛く声をかけて勧誘した。
中年の男性が、よく、フランちゃんからケーキを買ってくれた。

きっと、この人達も、小さな癒しを求めているんだろうなと考え、フランちゃんは、道行く中年の男性に優しく可愛く声をかけた。