「……え?」



なっちゃんが、あたしに耳打ちする。



「こぶしも、足の蹴りあげも……。
早すぎて、よく見えなかったけど。
でも……。
寸止めで、こんなに相手の戦意をそぐって……。
月星くん、なにもの?
すごすぎるんだけど……」



こそこそと……。



なっちゃんが耳打ちをする。



その前で……月星は、羽海の腕を肩にまわして、体を支えた。



「大丈夫か? 羽海」



「ん。
サンキュー」