西口くんは、ウキウキしたように言って、顔をほころばせた。



「あっ、そっか。
香月さんじゃないよね。
“綾音”って、呼んじゃおうかな。
どうせ、今日は、俺が勝っちゃうんだし」



ニヤニヤ気味悪く笑いながら、西口くんはあたしの肩に手を伸ばす。



うっわ。



ちょっと。



まさか……。



このまま、肩を抱き寄せる気!?



そう思ったけど、背筋がゾゾゾっとしすぎて動けない。