「あら?里沙、こちらは?」

香奈が私と一緒にいた朝日奈君のことに気付き聞いてきた。

「会社の同僚の朝日奈君よ。今日ここで、いとこさんの結婚式があったんだって。偶然さっき会ったのよ」

香奈にそう答えて、朝日奈君に香奈達を紹介した。

「朝日奈君、こちら友人の香奈、えぇと、今日から武田香奈ね。で、そちらが旦那さんの武田樹君。ふたりとも私の大学時代の友人なの」

ふたりは朝日奈君にペコリと挨拶した。
朝日奈君もふたりにおめでとうとお祝いを伝えながら微笑んでいた。

「いやぁ、なんか、武田香奈って照れくさいね」

香奈は頭を掻きながら言った。

「だったら、ボクが中野樹になった方がよかった?」

「いんや、イツキのお嫁さんになるんだから、私は武田香奈になりたかったの」

香奈は赤くなっていた。
朝日奈君は優しくふたりを見つめ、

「お2人とも仲がよくて羨ましい。末永くお幸せに」

と微笑んで立ち去ろうとした。

「朝日奈さん、もし時間がよろしければご一緒しませんか?」

香奈が朝日奈君を引き止めた。

「いやぁ、僕なんか混じってはご迷惑でしょうから。ここはご友人どうし、どうぞごゆっくりと」

「いえいえ、人数が多い方が楽しいから、いいわよね?里沙、イツキ」


香奈の強引な誘いに結局、朝日奈君も一緒に飲みにいくこととなった。