香奈のウェディングドレス姿は、本当に綺麗だった。
教会の中の薄い光の中で、壇上にいる武田君のもとへ、ベールをかぶりお父さんに手を引かれゆっくりとヴァージンロードを進む香奈の姿に、私は思わず涙をこぼしてしまった。

香奈、本当に綺麗だよ、本当、幸せになってね、よかったね、香奈。

牧師さんの言葉に2人は未来を誓いあい、指輪の交換をして、誓いのキスをした。
香奈はもう泣いていた。
武田君の目もうっすらと涙に濡れたように光っている。

どうか、この2人には幸せになってほしい。
私は微力ながら神にお祈りした。
ふたりはは列席者の賛美歌に包まれながら、眩しい光の射し込む扉から退場していった。
その射し込む光はあたかもこのふたりの明るい未来を表しているように思えた。
結婚式ってこんなにも優しい気持ちになれるんだね。
香奈、武田君、ありがとう、そして本当におめでとう。

しばらくすると庭園にふたりはは寄り添いながらあらわれた。
ふたりはみんなのフラワーシャワーに祝福されている。
私と目の合った香奈は片目をつぶって優しく微笑んだ。
そして、香奈は私に向けてブーケをそっと投げた。
私はブーケを受け取った。

「さぁ、里沙、次は里沙の番だからね」

香奈は眩しい笑顔で私に言った。