昨日、颯に言った時間は16時。


そして、

現在16時10分。




……遅刻です。




呼び出したくせに待たせるなんて最悪だ。


とにかく急いで屋上に向かって廊下を走る。



どうしてこうなってしまったのかというと、それは一時間前にさかのぼる。










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「森崎。書き終わるまで帰さないからな」


「そんなぁ~」



ここはとある生徒指導室。

目の前には鉛筆と作文用紙。


そしてのんびり煙草をふかして私の目の前に座っている担任。



「はぁ~、めんどくせえ」


早く帰りてぇ、なんてブツブツ言いながら灰皿に煙草を押しつけ、また新しく煙草を取り出した。