「い、今行きまーす!」
私が返事をするのを聞くと、先生は手で指導室の方を指差して行ってしまった。
先に行ってるってことか。
颯と話している時間はないってことは……
謝る暇さえないってことじゃん‼
今の先生との会話でも颯が顔を上げる様子はなかった。
後は呼び出して謝る方法しかない。
でも、今日は部活に出ないと行けないし……そうだ!
「颯、話があるの。明日の16時に屋上で待ってる。…
…来るまでずっと待ってるから」
それだけ伝えて私は踵を返し、理乃の方へ戻った。
「どうだった?」
「だめ。先生の邪魔が入って無理だった。だから明日の放課後に屋上に来てって言っておいた」
「そっか。じゃあ、明日はしっかりやるんだよ!」
ちょっとだけ落ち込んでいた私を理乃が励ましてくれる。
放課後来てくれるかな。
後は颯次第だ。



