「お前昔から滅多なことがないかぎり泣かないだろ!どうしたんだよ?」
圭太には全てお見通しのようだ。
でも、言いたくない。
言ったら嫌われたことを実感してしまうから。
「…………」
はぁー、と隣でため息が聞こえた。
呆れられても仕方ないよね。
自分を自嘲していたその直後急に大きな体に包まれる。
「ちょっ!?」
私は圭太に抱きしめられていた。
押してもびくともしない。
それどころか更に抱きしめる腕の力が強まった。
圭太の胸に押しつけられているので顔が見えない。
「圭太?」
どうしたんだろう?
なんだかいつもの圭太じゃないみたいで不安になる。
「もう何も聞かない。だけど、せめて送らせて?」
圭太……
頭上からは今にも消えそうな声が聞こえた。



