それからは私を気遣ってか、颯の歩調がゆっくりになった。
そういうさり気ないトコがいいんだよなぁ。
また改めて颯のかっこよさを実感するよ。
帰り道、私たち以外は誰も歩いていなかった。
日も大分短くなってきたので、さっきまでの明るさもなくなっていく。
いつもと違う状況に慣れなずソワソワしてしまう私。
う~ん。
何か話をしなくては。
足らない頭で考えを巡らす。
「リレー私がバトン渡すよね?一位絶対取ろうね!」
私は颯の前でガッツポーズをした。
それにちょっと目を丸くした後、ニヤッと笑って
「本当に足速いのかよ?」
って。
私をバカにしてるな。
颯の上目線な発言に私はちょっとむきになる。
「速いですー!これでも運動部ですからねっ」
私の言い方がウケたのか颯の口元が緩む。