昼間の暖かさと違い、夕方のひんやりとした空気がもう冬に近づいている事を知らせる。
冷え症の私はしっかりマフラーとコートを羽織って防寒していた。
颯もちょっと寒いのか頬が少し染まっている。
見上げて見た颯はやっぱりかっこよくて……
私は歩きながらさっきの言葉を思い出した。
『あんたと永瀬くんとじゃつり合わないし』
でも、私と颯がつり合わないのは本当かも。
確かにあの子たちは綺麗で美人だった。
それに比べて私は、背は中、顔も並、男子に可愛いって言われたこともない。
つり合わない事ぐらい始めからわかってるっつーの。
自分で言って何だか悲しくなってくるなぁ。
「元気ない」
「へ?そっ、そうかな?」
やばい。せっかく一緒に帰っているのに何考えてるんだ私。
心配かけちゃダメじゃん。
考え込んでいたせいもあり、颯との距離が幾分か開いてしまっていた。
私は颯が歩きだす前に隣に行く。