この声……前にトイレで話してた子たち?
そんな風に思われてたんだ。
彼女たちは更に私に向かって言う。
「永瀬くんもいい迷惑よね。こんな子に付きまとわれて」
「『颯』って馴れ馴れしいんだよ」
させがの私もカッチーンと頭にきた。
「黙って聞いてれば好き勝手なことばっかり言って。悔しかったらあなたたちも颯って呼んでみなさいよ」
「何よっ!」
私と彼女たちの睨み合いで更衣室前は異様な空気に包まれる。
「何やってんだよ」
「颯 !?」
「「永瀬くん!?」」
声のした方を振り向くと校門で待っているはずの颯が立っていた。
話題の本人の登場で、たぶんその場にいたみんなが驚いただろう。
「な、んで……」
「遅いから迎えに来たんだよ」



