「でも、何で颯がそのこと……」


私言ってないよね?



「嶋谷が騒いでたんだよ。
『心配だー!』とか『女の子一人で帰らせるのかー!』とか俺に向かって」



ハハハ……

理乃のバカ、何考えてんの。


そんな事言われたら誰でも断れないわよ。



「ごめんね?」


申し訳なくて小さな声で謝った。




ーーポンッ


え?

下を向いていると頭にのせられた大きな手。



「そっ、颯??」


「気にすんな」



頭にのせられたまま顔を上げようとしたけど颯の顔は夕日で見えない。



「元々送るつもりだったし」


「ありがとう」



なんか夢みたい。

嬉しくって顔の熱さが伝わっちゃいそう。