「つまんないの」
「なんだそれ？」
「べっつにー」
疑うような目で見られ私はそれに知らんぷりして外方を向いた。
誰でもいいって事は今、颯には想っている子がいないって事。
まだ私にもチャンスはあるんだ。
そして他の女子にも……
絶対に負けないんだから!
「大丈夫か？こいつ」
メラメラと闘志を燃やしている姿を颯に見られているのも気づかなかった……。
本番が一週間後に迫ったある日、私は大きな失敗を引き起こした。
「森崎さん。今日も体育祭の練習？」
「うん。石橋さんは部活？」
「そうなの。お互い大変だね」
私が集合場所に向かって歩いていると前から石橋さんが歩いてきた。
