キミの一番になりたい

 
少しでも一緒にいて颯のことをもっとよく知りたいんだ。


それに『暇だから』って言った時、どこかで待つ私に屋上っていう場所を与えてくれたのかなって思った。



颯はしばらく私を見つめてフッと顔をそらして歩きだす。



「好きにすれば」



背を向けたままぶっきらぼうに言う颯が少し可笑しくて、


「じゃあ、お構い無く」



そう言って私は颯と一緒に屋上へ向かった。














それからというものリレーの練習後は一緒に屋上で理乃を待つようになった。


空も私の気持ちを知ってか知らずか、ここのトコずっと雨は降らなかった。


少し肌寒いけど、やっぱり空の色も街の風景も本当に素敵でここにいたいなって気分になる。



お互い特にこれといった会話はせず、颯は昼寝、私はずっと景色を見ているだけ。


昼寝といっても私が話しかければ答えてくれるから、実際寝てるかどうかなんてわからないんだけど。