キミの一番になりたい

 
「これからどうするんだ?」


みんなと同じように帰らなかった隣にいる颯に聞かれて少し悩む。



「リレーの練習する人もいるみたいだけど、私は今からじゃ部活も中途半端だしどこかで理乃待ってようかなと思ってる。
颯は?」


「暇だし屋上行く」



颯はポケットに手を突っ込みながら、私を一瞥して歩きだした。



「あ、待って!」



私は急いでその後を追いかける。

でも、颯は背が高いから歩幅も大きくて並んで歩くのがやっとだった。


すると急に颯の歩くペースが落ちる。



「悪い」


「え?」



何だか申し訳なさそうに手を頭にあてて謝られた。


そっか。私に気を遣ってペース落としてくれたんだ。

その優しさについ頬が緩む。




「あのさ、理乃待っている間一緒に屋上にいてもいい?」