キミの一番になりたい

 
何だかまともに顔を合わせずらくて先生を見ながら話すのがやっとで。



「そうか?莉子といても気疲れしないからかな」



っ!?

今なんかさらっと嬉しいこと言ってくれたよね?


石橋さんは女子とあんまりいる姿を見ないって言ってたし、少しは脈アリって事なの?

期待しちゃうじゃん。


でも、さっき話していた子は?




言いたいことがありすぎて上手く言葉にできずしどろもどろしている私に対し、颯は全くそれに気づかない。



「まあ、これからよろしく」


「え?あ、うん。よろしくね」



飛んでいた意識を取り戻して、私は差し出された手に自分の手を重ねて握手した。










「……では、本番に向けて頑張るように」



先生の話も終わったのかみんなちりじりに捌けていく。

ボーッとしていた私は明らかに出遅れた。


なーんだ、初日だし話だけだったのか。
それなら集まる必要なかったじゃん。