二人をこのまま見ていられなくて、踵を返して来た廊下を戻る。


遠回りだけど違うトコから向かおう。

余裕がない気持ちのままとにかく早足で歩いた。




……なんかダメだ、やる気でない。

顔でも洗って気分変えようっと。


目の前に見えてきた女子トイレの文字を確認して私は入った。



ーーバシャバシャッ

ふぅ~さっぱりした。


よしっ!行こう‼


冷たい水を顔につけると身がキュッと引き締まった。


鏡に向かって意気込んでからドアノブを回そうと握った瞬間、



「まじカッコよくない?」


「だよねー」


話し声が聞こえて咄嗟に開けるのを止めてトイレの個室に隠れる。


ギィーッと開く音がして話し声が一段と大きくなった。



案の定彼女達は鏡の前で化粧を始めたらしく出るに出れなくなってしまった。


私は気づかれないように息を潜める。