「そ……」
声をかけようとした時、颯の影に隠れて見えなかったけど誰かと話をしている。
私は咄嗟に角に隠れた。
バレないようにそっと覗くと相手は女の子。
しかもよく見ると瞳がパッチリでスポーツをしているのか少し日焼けした肌の活発そうな子。
どういう関係なんだろう。
話の内容までは聞こえない。
颯の顔は見えないけど彼女の顔はとても嬉しそうに笑っていた。
ーーズキッ
なんだか急に胸が苦しくなり目の前の光景を見ることができない。
やだ。どうしよう。
目の前の彼女に嫉妬してる自分がいる。
……気づいてしまった。
今のではっきりわかったんだ。
そばにいてドキドキしたりこんなにも私の心をしめつけるのは颯だから。
もっと一緒にいたいって思うのは、
私が
颯を好きだからなんだって。



