「でも、できたらでいいんだ」
「……わかった」
私は一応頷いた。
それを見て石橋さんも少しホッとしたのだろう、
「じゃあ、また明日ね!」
そう言って私たちに手を振って更衣室を出ていった。
「私も部活行かないといけないからもう行くね」
「うん。頑張ってね」
理乃も部活のため更衣室を出ていく。
私は二人を見送った。
……さて、私も集合場所に行くとしますか。
二人に五分遅れで着替え終わった私は更衣室を出る。
キュッキュッとシューズの音が静かな廊下にやけに響いた。
あ、颯だ。
角を曲がってすぐに颯の後ろ姿が見えた。



