颯は別に私と一緒に居たいわけじゃないもんね。
鞄を持っておとなしく立ち上がる。
「また後でな」
「え?」
振り向いた時にはもう颯は伏せて寝てしまっていた。
今のって……後でまた話してもいいって事だよね?
よかった。
私はちょっと笑ってから理乃のもとへ向かった。
「でも、永瀬にはホント驚くよねー」
理乃が思い出したように呟く。
放課後、私たちは更衣室で着替えていた。
「リレーの選手に選ばれるほど足速かったって知らなかったよ」
「うん。そうだね」
私も同じ事を思っていたので理乃に賛同する。
そこへ石橋さんが話しかけてきた。
「二人とも知らないの?」
「知らないって、何が?」



