今更そんな事を言われ恥ずかしくなってあたふたする。
「言ったことなかったっけ?」
「ない」
うぅ……速答。
なんか私の中では慣れてたから気づかなかった。
顔の熱さを下げたくて左手の甲で頬を押さえる。
それを楽しそうに見つめられる。
久しぶりの会話でこんなにも話が弾むとは思わなかった。
まぁ、単に私がからかわれてるだけなんだけど。
それはそれで私としてはなんだか嬉しかった。
颯ってこんな一面も持ってるんだ。
「りーこっ!行くよー!」
廊下から理乃が声をかける。
行かないと。
でも、もう少し話したい。
どうしようか迷っていると、
「行けば?」
「あ、うん」
隣からは素っ気ない声。
さっきの雰囲気はどこへやら。



