それはさっきよりも風にのって長く遠くに飛んでいく。
「すごーい!あんなに飛んでる紙ヒコーキ初めて見た」
「大げさ」
私は隣を見上げた。
颯の横顔は私の胸をギュッと締め付ける。
この気持ちが一体何なのかこの時はまだ、わかっていなかった……。
「このサボり魔め」
「反省してます」
戻ってすぐに理乃からのキツいお灸がすえられた。
とにかく私は小さくなって謝る。
あれから颯に戻るか聞いたけど、気分次第って言われ一人でトボトボ帰ってきて。
教室に入った途端「莉子!」って叫ぶ声と一緒に耳を急に引っ張られ、窓際まで連れてこられた。
見上げて見た理乃の顔は言葉では説明できないほどの怖さ。
当分おとなしくしていようっ。



