颯に好きだって言われた。
私の答えは……
『強要はしない。でも私の考えが間違ってたとは思わない。
莉子さん、まだ颯の事好きでしょ?』
『わ、私は……――』
あの時の言葉の続き、今なら言ってもいいのかな?
もういろんな事こと我慢しなくていいのかな?
「颯と別れてから何度も何度も諦めようと思った。だけど……どうしてもできなかった。
だってっ……だってまだこんなに好き……」
体を引き寄せられて大きな胸と力強い腕に包まれる。
香るのは懐かしい香水。
それだけで目眩がした。
「もう離さない」
「うん……離さないで」
視界が歪んで涙が溢れる。
でも悲しいからじゃない。
初めて心の底から溢れるような喜びを感じたから。



