黒板には、


リレー代表

女子:森崎莉子




……その横に、



男子:永瀬颯



って書いてあったから。






「ねぇ、永瀬って足速かったの?」


理乃も驚きを隠せないようで、黒板を見つめたまま私の肩を揺する。


私も理乃の声が聞こえていたのに衝撃的すぎて何も言えなかった。



この答えは本人に聞いてみなきゃわからない。

颯、屋上に行ってみればいるかな?


少しの期待も込めて私は決心した。



「理乃ごめん。ちょっと抜ける」


「え?ちょ、ちょっと!」



理乃の呼び止めにも答えず、私は騒つく教室をそっと出て屋上に向かった。