キミの一番になりたい

 
何を話したらいいんだろう。


まさか、逢えるとは思わなかったから言葉が見つからず目を泳がせてしまう。




目の前の彼はあの頃より少し変わった。


背が伸びて体つきもがっしりしている。



口数の少なかった声は落ち着いた低さで胸に響く。




だからだろうか気持ちが落ち着かないのは。


かっこよく見えるのは。





「元気だったか?」


「うん。颯は?」



『俺も』って言って軽く笑う。


それを見て胸が騒がしくなる。




どうしよう。


もう吹っ切れたと思っていたのに。



颯の目を髪を仕草を、見ただけでこんなにも泣きたくなる。


想いが溢れそうだ。





でも言っちゃダメ。


颯には真穂さんがいる。



はやる鼓動を必死に抑えた。






「言いたい事があるんだ」


「それって空港で言ってた事?」



颯はコクンと頷く。