何の関わりもなく学校生活を送っただろう。
そう考えると紙ヒコーキは私にとって大事な……一番大事な宝物なんだ。
もう飛ばないだろうと思うけど、私はゆっくりと空に向かって紙ヒコーキを飛ばす。
風向きを間違えて、それは飛ばした方とは逆に流れてく。
――パサッ
さすがに飛ぶ事はできず紙ヒコーキは静かに落ちる。
「あっ……」
足元に落ちたそれを彼は拾った。
「これ……懐かしいな」
愛しそうに見つめ真っすぐこちらに歩いてくる。
一歩一歩近づくたびに、ドクンドクンと私の鼓動が早まり頬を染めていく。
「久しぶり」
「颯……」
まさか、逢えるなんて……
そこには逢いたかった彼がいた。



