うぐいすの鳴く声。
新しい生き物の息吹。
三月の暖かさに桜も開花を今かと待ちわびている。
バスを降り、辺りをぐるっと見渡した。
久しぶりの故郷は相変わらず、澄んだ空気が疲れていた私を癒す。
やっぱりここは落ち着くなぁ。
皆は元気かな?
……颯はどうしてるんだろう?
少しドキドキする気持ちを抑えて学校へと歩きだす。
私は颯との約束を守るため戻ってきた。
学校はもう卒業式を終えたから三年はいないだろう。
颯にも今日帰ってくる事は伝えてないから今日は会えないはず。
それでも思い出の場所に行きたくて。
事前に元担任の先生から許可をもらい、私の足は真っすぐ学校に向かっていた。
「うわぁ~懐かしい」
屋上から見える景色はあの頃と同じだった。