だけど後ろから私を呼ぶお母さんの声がして、名残惜しいけど荷物を持って歩き出す。 「またな」 振り向くと笑顔で手を振る颯につられて私も笑う。 あぁ、私はあの笑顔が好きだったんだ。 包み込むような温かい目をした、やわらかく笑う口元をした笑顔が。 「行ってきますッ!」 また会える事を楽しみに、私は大きく手を振って青い空へと飛び立った。 私は見事に第一志望の大学に合格した。 今、会いに行くよ……