人込みを書き分けながら颯がまっすぐこちらに走ってくる。
私は信じられない気持ちを落ち着けてただ立ち尽くしていた。
「……どうしたの?」
目の前に立つ颯にそれしか言えなくて。
震える手を必死に握って落ち着こうとした。
「待ってる」
「……え?」
ふわりと優しい力で私を包み込む。
懐かしい颯の香り。
「半年後、受験が終わったら屋上に来い」
屋上、って学校の?
何で……
「待ってる」
「……うん」
無意識に頷いていた。
颯に会える未来があるなら理由なんて何でもいい。
お互いそっと離れて見つめ合う。
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