「莉子っ……」
呼ばれて振り返ると颯がいた。
やっぱ怒ってるよね。
「何で言わなかったんだよ」
「ごめん。言い出しずらくて……」
案の定、颯はギリギリまで知らせなかった事を怒っていた。
それには何の弁解もない。
別れが辛いから理乃以外には言っていなかったんだ。
もちろん今はただの友達になった颯でさえ。
「え?莉子さん転校するの?」
会話が聞こえたのか、颯を迎えに来た真穂さんは私を見て驚く。
「うん……今までありがとう」
「ううん、こっちこそ。でも……」
気まずそうに颯を見上げる真穂さん。
颯は目を伏せたまま私たちを見ようとはしない。
それに気づかないようにして私は明るく振る舞う。



