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池の周りは提灯でいつもより幻想的だ。
揺らめく波はゆったりと心を包み込む。
ただ耳を澄ませるだけで煩わしい日常から解放された。
「こうやって一緒にいるの……久しぶりだね」
二人で池まで来ると近くのベンチに座りただ池を眺めていた。
だからなのか、さっきの疑問は嘘のように気にならなくて。
代わりに違う事を話しかけている自分がいる。
もうどうでも良かった。
今は話したい。
今まで話さなかった事をたくさん。
「元気か?……って毎日学校で会ってるか」
自分の発言に珍しく突っ込んでいる颯に笑みが零れる。
「元気だよ。颯は勉強頑張ってる?」
「あぁ。俺、就職する事にした」
「そうなんだ……道別れちゃったね」
初めて聞く颯の進路。



