前を向けば楽しそうに話す颯と真穂さんが目に入った。
未練がましくいつまでも引きずってたらダメだよね。
二人が上手くいってるんだから私は祝福してあげなくちゃ。
次の恋に踏み出すためにも。
仲睦まじく歩く二人を見てまだ胸は痛むけど、逆に引きずっていた気持ちに終止符が打てそうだった。
その後も皆で金魚すくいや射的、ヨーヨーすくいなど競い合って楽しんだ。
人込みに流されないように歩くけど、下駄だとスムーズにはいかない。
頑張って先を歩く友達について歩くと気になる屋台に足を止めた。
りんご飴……祭りで一番好きな食べ物。
子供の頃から必ずこれだけは買って帰ったんだよね。
「おじさん、一つ下さい」
お金を払ってりんご飴を受け取るとさっそく私は舐め始めた。
ん~おいしっ!
やっぱり屋台と言ったらりんご飴でしょ。
買えた事に満足してふと辺りを見回すと……知ってる顔が誰も見当たらない。
……うそ、はぐれた?



