と、言ってその先の言葉に詰まる颯にドキッとする。
なんだか聞いてはいけない気がして。
聞いたらもう戻れない気がして。
背中を向ける颯は今の私たちの心の距離を感じさせた。
寂しげな音を響かせながら風で自然にブランコが揺れる。
「真穂は辛くても頼れる奴がいない。俺しかいないんだ。だから……
もう莉子とは付き合えない」
「……え、冗談でしょ?」
「…………」
「真穂さんには彼氏いるんでしょ?
まだ、真穂さんが好きだったの?」
信じられなくて。
颯の言葉が信じられなくて。
震える声で必死に言葉を紡いだ。
だけど颯からの言葉はなくて。
指先から体がどんどん冷えていく気がした。



