今日もいつものように窓の外を眺めながら、つまらない授業を聞いていた。



春の陽気はそれだけで眠くなりそうなのに、先生の抑揚のない声で益々まぶたが落ちてくる。


少なくとも私の前にいる彼女も同じ気持ちなはず。



チラッと理乃を見れば私よりも完全に机に伏せて気持ち良さそうに寝ていた。


部活の疲れのせいもあるケド。



でもこんな時に一番寝ていそうな彼が最近はずっと起きているし、授業にも必ず出席していた。


今度は隣の席で外を眺めている颯を見つめる。



ただ景色を見ているんじゃない。


考え事でもあるのか颯の顔はずっと険しくて。


黒板になんか一度も目を向ける事はない。




私には何も言ってくれないけど、颯が言ってくれるまでは黙っているつもりだった。












ーーキーンコーンカーンコーン


やっとつまらない授業も終わり、帰り支度を始める生徒たち。


それは私たちも例外ではなかった。





「颯、帰ろ?」


「あぁ」




二人で廊下を歩いていると教室前が騒がしい。